当事者双方が債務の発生原因等を確認し、○○年○○月○○日現在、債務者が債権者に対してどのような債務を承認しているのか、その債務を今後どのようにするのかを公正証書で作成します。
例えば、取引先の売掛金の支払が滞っている(未収金)、委託や請負による損失(損害金)、従業員が会社のお金を使い込んだ等(不法行為等による賠償金)を、一定の日現在でいくらあるのかを認め、それらの支払方法、今後の対応などを記載します。
また、従来の支払方法を見直すとき、当事者の脱退者又は加入者(連帯保証人等追加 *注:保証契約は、書面でしなければその効力は生じない:民法第446条第2項)がいるとき、第三者に債権を譲渡したなど状況に変化があった場合も、公正証書で作成することをお勧めします。(フローチャートはこちら)公正証書の作成をご希望の方は、次の項目を互いにご確認ください。
主な契約の内容 | |
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① | 本来の債権債務が発生した日 |
② | 債権債務の発生原因(売掛金、金銭消費貸借、不法行為など) |
③ | 債権債務の承認日(○年○月○日現在) |
④ | 債権額(上記③承認日現在の債務残金) |
⑤ | 返済方法(一括・分割、返済金額、返済期日、振込・持参など) |
⑥ | 利息の定め、支払方法 |
⑦ | 返済が滞った場合のペナルティー(遅延損害金など) |
⑧ | 分割返済の場合における期限の利益喪失の定め |
⑨ | 連帯保証人及び物的担保の有無 |
⑩ | 強制執行に関する定め |
必要書類
契約者(債権者・債務者)本人が出頭する場合 | |
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個人(AまたはB) | A 運転免許証、個人番号カード(マイナンバーカード)など公的機関発行の写真つき証明書と認印 |
B 発行から3か月以内の印鑑登録証明書と実印 | |
法人代表者(A~C全部) | A 発行から3か月以内の印鑑証明書 |
B 発行から3か月以内の履歴事項全部証明書(または現在事項全部証明書) | |
C 代表印 |
代理人が出頭する場合 | |
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債権者・債務者が個人の場合(A~C全部) | A 本人の発行から3か月以内の印鑑登録証明書 |
B 実印を押印した委任状(債務承認弁済契約の内容を添付し一体化して割印) | |
C 代理人の身分証明書(a運転免許証など公的機関発行の写真つき証明書と認印 または b発行から3か月以内の印鑑登録証明書と実印) | |
債権者・債務者が法人の場合(A~D全部) | A 発行から3か月以内の印鑑証明書 |
B 発行から3か月以内の履歴事項全部証明書(または現在事項全部証明書) | |
C 代表印を押印した委任状(債務承認弁済契約の内容を添付し一体化して割印) | |
D 代理人の身分証明書(a運転免許証など公的機関発行の写真つき証明書と認印 または b発行から3か月以内の印鑑登録証明書と実印) |
作成手数料の算定方法
債務者が債権者に対して、債務を承認をしている金額を目的の価額とします。
債務を承認している額=目的の価額
※ただし担保などを設定した場合は、公証人手数料令第23条第2項により加算されます。
具体例
1000万円の商品を販売し代金支払の期日になったが、そのうち350万円が期日に回収できないそうもない。未回収の売掛金について支払日を延期する合意を交わした。
この内容で債務承認弁済契約公正証書を作成した場合・・・ 債務を承認している額=3,500,000円となり 手数料の表↓に照らし、基本の手数料は、目的の価額500万円までの11,000円となります。(別途正本代等がかかります。)
証書の作成手数料
目的の価額 | 手数料 |
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100万円以下 | 5,000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 11,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 17,000円 |
1,000万円を超え3,000万円以下 | 23,000円 |
3,000万円を超え5,000万円以下 | 29,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 43,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 43,000円に5,000万円までごとに1万3,000円を加算 |
3億円を超え10億円以下 | 9万5000円に5,000万円までごとに1万1,000円を加算 |
10億円を超える場合 | 24万9,000円に5,000万円までごとに8,000円を加算 |