お金の貸し借りの際、予め決めておいた方が良いとされるものに次の①から⑦が掲げられます。
① | 貸す人と借りる人 | 会社か個人か、一人か複数(連帯)か |
② | 契約日と実行日 | 契約した日と実際にお金が動く日 |
③ | 返済方法 | いつ、どのように(一括返済又は分割)いくら返済するか |
④ | 利息 | 無・有(利率・支払方法) |
⑤ | 期限の利益の喪失の定め | 直ちに全額返済しなければならない借主に生じた事柄 |
⑥ | 遅延損害金 | 返済を怠ったときの損害金(利率) |
⑦ | 連帯保証人 | 有・無 |
公正証書はその点が違います。 公証役場では上記①から⑦に加え強制執行力を付した公正証書を作成することができるので、契約内容も法律的に問題が無いものとなることは勿論、万一トラブルとなって金銭的な債務不履行があったときでも裁判を起こすことなく相手の財産に強制執行ができます。
公正証書の作成をご希望される方は、次の項目を確認してください。
金銭の貸し借りについて主な合意内容 | |
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① | 債権債務の発生日(お金の貸し借りの日) |
② | 債権債務の発生原因(事業資金のため、不動産購入のためなど) |
③ | 債権額(貸し借りとなる金額) |
④ | 返済方法(一括・分割、返済金額、返済期日、振込・持参など) |
⑤ | 利息の定め、支払方法 |
⑥ | 返済が滞った場合のペナルティー(遅延損害金など) |
⑦ | 分割返済の場合における期限の利益喪失の定め |
⑧ | 連帯保証人及び物的担保の有無 |
⑨ | 強制執行に関する定め |
貸金業法第2条(出典:e-Covウェヴサイト)の「貸金業」の定義にあてはまる債権者は、そのただし書きに掲げるものを除き、所定の手続を経る必要があります。
金銭消費貸借契約公正証書の作成は債務者、連帯保証人は原則として、役場においでいただいております。(場合によって家族、社員などに委任して代理人による作成も可能です。)
詳細はお気軽にお問い合わせください。
必要書類
契約者(債権者・債務者)本人が出頭する場合 | |
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個人(AまたはB) | A 運転免許証、個人番号カード(マイナンバーカード)など公的機関発行の写真つき証明書と認印 |
B 発行から3か月以内の印鑑登録証明書と実印 | |
法人代表者(A~C全部) | A 発行から3か月以内の印鑑証明書 |
B 発行から3か月以内の履歴事項全部証明書(または現在事項全部証明書) | |
C 代表印 |
代理人が出頭する場合 | |
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債権者・債務者が個人の場合(A~C全部) | A 本人の発行から3か月以内の印鑑登録証明書 |
B 実印を押印した委任状(金銭消費貸借の契約事項を添付し一体化して割印) | |
C 代理人の身分証明書(a運転免許証など公的機関発行の写真つき証明書と認印 または b発行から3か月以内の印鑑登録証明書と実印) | |
債権者・債務者が法人の場合(A~D全部) | A 発行から3か月以内の印鑑証明書 |
B 発行から3か月以内の履歴事項全部証明書(または現在事項全部証明書) | |
C 代表印を押印した委任状(金銭消費貸借の契約事項を添付し一体化して割印) | |
D 代理人の身分証明書(a運転免許証など公的機関発行の写真つき証明書と認印 または b発行から3か月以内の印鑑登録証明書と実印) |
作成手数料の算定方法
・金銭を貸し付けた金額を目的の価額とします。
貸し付けた金額=目的の価額
※ただし担保などを設定した場合は、公証人手数料令第23条第2項により加算されます。
具体例
事業資金が不足し170万円を年3%の利息で借りる約束を交わしている
この内容で金銭消費貸借契約公正証書を作成した場合・・・
※公正証書の作成は実際にお金が動いた同日か、その翌日以降となります。
貸し付けた金額は1,700,000円なので
手数料表↓に照らし、基本の手数料は、目的の価額200万円までの7,000円となります。(別途正本代等がかかります。)
証書の作成手数料
目的の価額 | 手数料 |
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100万円以下 | 5,000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7,000円 |
200万円を超え500万円以下 | 11,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 17,000円 |
1,000万円を超え3,000万円以下 | 23,000円 |
3,000万円を超え5,000万円以下 | 29,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 43,000円 |
1億円を超え3億円以下 | 43,000円に5,000万円までごとに1万3,000円を加算 |
3億円を超え10億円以下 | 9万5000円に5,000万円までごとに1万1,000円を加算 |
10億円を超える場合 | 24万9,000円に5,000万円までごとに8,000円を加算 |